身近な自然のありがたさ
3年生の生物では、昨年度積み残した生物基礎から進めています。4月に自律神経とホルモンからスタートして、今日バイオームが終わりました。最後の授業のテーマは「阿蘇の草原が維持されている理由は?」。
遷移の過程を確認したあと、草原や放牧の写真を見せて「ここはどこ?」というクイズ。さすが地元なので生徒はすぐわかります。阿蘇に草原があることを確認してから、阿蘇山の過去30年間の月平均気温から暖かさの指数を求め、本来のバイオーム(夏緑樹林)を推定。ここで、「あれ?なんかおかしくない?」とふって、最初の質問へ。今回は1人一枚A4用紙を配り、グループで相談したうえで自分なりの答えを書いて、黒板に貼る。という流れでした。
始めは「意味わからん」とか言ってた生徒たちも、さすが地元。野焼き、噴火、牛が食べる・・・などなど、あれは?これは?と考えを広げていました。そのうち、裸地や二次遷移など、教科書のキーワードとも結びつけた声もちらほら。
↓生徒の考え(一部)
・野焼きをして、草原までの遷移を繰り返しているから
・野焼きをして植物を燃やしているので二次遷移が起こる
・野焼きを定期的に行っているので若い芽に光があたっているので植物が育ちやすい
・野焼きをすると裸地の状態になり、1から新しい草が生えるから
・放牧された牛が食べている
・・・など。
正直、予想以上でした。おととしにも同じような授業をしたのですが、その時はうまく生徒の思考が深まらない印象だったので、今回も途中でヒントとして野焼きの写真を出すつもりでした。でも、いらなかった。生徒達は自力でたどり着きました。
大げさかもしれないけど、生徒がちゃんと地元のことを見ていたこと、このテーマを扱える環境に今いることがなんだかとてもありがたくてうれしくて、温かい気持ちになりました。並べられた生徒の考えを見て、ここに住んでいないと「野焼き」なんて高校生の口から当たり前に出てこないよなあ、それってすごいなあ、と。
中間考査が近づいてきて、「記述増やすからねー」という私の言葉にびびっている生徒たちですが、毎時間がんばっている生徒の力をきちんと評価できる問題を作りたい。ALを始めて、考査に対する考えも少しずつ変化してきました。どんどん面白くなってきてます。
そして明日は校内AL推進チームの初ミーティング。想いを伝えるためのKPは作りました。告白前夜みたいに緊張してます。どうかフラれませんように・・・